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: メール管理者の仕事 : メールの基礎 : 不正中継(第3者中継)

メールの信頼性

おおざっぱにいって郵便ハガキと同程度の信頼性だと考えればわかりやすいと思 います。
配送の信頼性
現在では、メールサーバがきちんと管理されてさえいれば、 事実上 100% 届く(もしくはエラーが返ってくる)といってよいでしょう。 しかし世の中にあるすべてのメールサーバがきちんと管理されているわけでは ありません。メールサーバは分散管理ですから管理・運用体制は玉石混交です。 また表書きの書き間違いやメーラの操作ミス・設定ミス・設計ミスといった利 用者(メーラ)側のミスによるメールの紛失もありえます23。 ですから他の手段を併用しない限り書留郵便のような信頼性は得られません。
差し出し人メールアドレスの信頼性
技術的にはゼロです。つまりいくらでも詐称できます。ですから、必要に応じ て電子署名などの手段を併用して信頼性を向上させることになります。
通信の秘匿性
技術的にはゼロです。つまり覗き見されたり改竄されたりする可能性が常に存 在しています。PGP24 などにより暗号化を施せば、メールの内容につい ての秘匿性は大幅に向上させることができますが、送り先のような配送に直結 する情報は隠せません。
まあ、世の中そんなに神経質にならなくても暮らせますから、常に電子署名や暗 号を使う必要があるとは思いませんが、現在の(標準的な)メールシステムは郵 便ハガキ並の信頼性を前提としているメディアである、という点は頭の隅に入れ ておいた方がよいでしょう。



Hiroaki Nagoya
nagoya@cc.hit-u.ac.jp