: 本文
: メールの構造
: メールの構造
ヘッダには、そのメールについての定型的な情報と、メール配送時に追加される
情報が含まれています。ヘッダ内に含まれている各々の情報はフィールドと呼ばれ
フィールド名: フィールドの値(内容)
という形式で書かれています。メールについての定型的な情報にあたるのは以下
のようなフィールドで、これらはメーラ(つまり利用者)が責任を持って生成すべ
き情報です。フィールドの種類はたくさんある9のですがその内でよく見かけるものをいくつか紹介しておきます。
- From
- このメールを作成した人のメールアドレス一覧です。規格上必須
なフィールドとなっています。
- To
- 主要な送り先のメールアドレス一覧です。規格上 To/Cc/Bcc の少な
くともひとつは必須となっています。
- Cc
- いわゆる Carbon Copy と呼ばれる、副次的な送り先のメールアドレ
ス一覧です。技術的には To と Cc の違いはまったくありません。人間の便宜のた
めだけに To と区別されているフィールドです。
- Bcc
- Blind Carbon Copy と呼ばれる、副次的な送り先のメールアドレス
一覧です。To/Cc との違いは、To/Cc(たいていは Bcc も)にある送り先へ、メー
ルを送るときにこの Bcc のフィールドはヘッダから削除される、という点に
あります。したがって
- To/Cc での受け取り人は Bcc での受け取り人の存在を知ることができない
- Bcc での受け取り人は To/Cc での受け取り人の存在を知っている
ということになります。
- Reply-To
- このメールの返信先を指定します。メーラ(つまり受信者)への
アドバイスのためのフィールドです。
- Date
- このメールが生成された時刻を記録することになっています。
規格上必須なフィールドとなっています。メールは国境と無関係にやりとりさ
れますので、時刻表記は世界中のどこでも理解できるフォーマットでないと困
ります。というわけで、たとえば日本時間で記録する場合にはちゃんと UTC
10 との時差 +0900 が明記されています。
- Subject
- 標題です。「メール本文の要点、あるいは性質を書くためにあ
る」フィールドです。
- Message-ID
- 世界中で日々やりとりされているメールの中から、このメー
ルを一意に特定するためのフィールドで、(建前としては)全世界で唯一になる
ような ID がメーラによって生成されることになっています。
一方、メールサーバが「消印」的に追加していくのは次のようなフィールドです。
- Return-Path
- 最終配送時に、表書き(後述)の差し出し人メールアドレスが記録されます。
- Received
- 配送中に経由したメールサーバの「消印」的なフィールドです。
ですからヘッダ中のこのフィールドを眺めればどのような経路でこのメールが
送られてきたかがわかります。
Hiroaki Nagoya
nagoya@cc.hit-u.ac.jp