森社工LANの時代(1988 $\sim$ 1994)

国立大学のキャンパスネットワーク整備は1987年の京大(KUINS)・東北大 (TAINS)に始まるそうですが([1])、一橋大学でもこの頃からキャンパ スネットワークの必要性が感じられてきたようで、1988年6月に「学内コンピュー タ・ネットワーク専門委員会」が発足しています([2])。

同じ 1988 年に森社会工学学術奨励金による共同研究「学内情報ネットワーク の基礎的研究」で情報処理センター・第1研究館・第2研究館・磯野研究館にイー サネットが敷設されました([3])。 この通称「森社工LAN」が、現在のキャンパスネットワークの直接の先祖にあたります。 森社工LANは、1992年までに数回の拡充を経て、国立キャンパスのあちら こちらに広がっていきます([4,5,6])。

なお、この時期にインターネットへの接続も開始されています。現在も利用さ れている一橋大学のドメイン名(hit-u)やネットワークアドレス (133.46.0.0/16)の割り当てを受けたのもこの森社工LAN時代のことです。

このように最初のキャンパスネットワークとして重要な役割を果した森社工 LANですが、もともと実験ネットワークとして出発した関係で、本格的なキャ ンパスネットワークとしての運用にはかなり無理があったようです。そのため 実用的なキャンパスネットワークを構築するための予算が認められるのを、当 時の関係者は一日千秋の思いで待ち望んでいました。